膝の症状

膝の症状

オスグットシュラッター病

オスグッドシュラッター病とは、太もも前面の大腿四頭筋が付着する膝蓋骨(膝のお皿)の少し下の部分(脛骨粗面)に負荷がかかり 炎症を起こして痛みや、腫れを引き起こすものです。 成長期の10歳代前半の男児に多くみられます。

主な症状

膝蓋骨のやや下の当たりに痛み、腫脹、熱感が出るのが特徴です。  膝の曲げ伸ばしをすると痛みが強く出ることが多く、ひどい場合は軟骨の一部が剥離し膝を曲げることもつらくなり、骨が少し変形して 隆起することがあります。 スポーツ運動を休止したり、成長期を過ぎると炎症も治まり、症状が軽減します。

原因は?

主な原因は、日常生活動作やスポーツなどで起こります。  太もも前面の筋肉が緊張し、筋肉が骨に付着している部分に繰り返し負荷がかかることで炎症が起こります。 日常生活動作では、階段の上り下り、重い荷物を持ち上げる際の膝の屈伸運動時などで起こります。  スポーツでは、陸上競技やバスケットボールなどのダッシュやジャンプ動作の多い競技で多くみられます。 

アイシングや超音波などの電気療法により炎症を抑え、手技療法などで太もも、ふくらはぎ周りの筋肉をほぐすことが重要です。  太もも前面の大腿四頭筋に力が入りすぎないようにする為、筋肉の動きをサポートするようなテーピングをするのも効果的です。

シンディング・ラーセン・ヨハンソン病

膝蓋骨(膝のお皿)の下端に炎症や石灰化、部分的な剥離骨折などを生じた障害で、バスケットボールやバレーボールを行っている小学校高学年から中学生の男の子に多く見られる障害です。

主な症状

膝蓋骨下端の圧痛やその周囲の腫れを認めます。 スポーツ時には、ダッシュやジョギング、ジャンプの踏み込みや着地での痛みが出ます。 日常生活では、階段の昇り降りや、膝立ち姿勢での圧迫による痛みなどを訴えます。

原因は?

成長期の膝蓋骨は柔らかく完全には骨が形成されておらず、腱よりも強度が弱いため、膝蓋骨に繰り返し負荷が加わることで、 炎症を起こしたり剥離骨折を起こしたりします。

炎症を抑えるためアイシング、超音波などの電気療法を行い、手技療法で太もも前面の筋肉をゆるめることが重要です。 スポーツ活動を希望する場合は、テーピングなどでの補強で可能な場合もありますが、運動終了後のアイシングやストレッチも 合わせて行うことが大切です。

鵞足炎(がそくえん)

スポーツ時や運動後に鵞足周囲(膝の内側部分)に痛み、軽度の腫れを認めます。 日常生活では、階段の昇り降りや椅子から立ち上がる際などに痛みが出ます。 鵞足炎を放っておと変形性膝関節症の原因にもなりうる傷病であるため、早期治療が重要になります。

主な症状

前腕部の鈍痛、筋力低下、つまみ動作がしにくくなるといった症状の他、知覚異常などがみられ母指、中指を曲げることや手の平を返す動作がつらくなるといった症状が出てきます。

原因は?

筋肉の柔軟性不足や過度の運動などが原因とされています。 スポーツでは、陸上競技やサッカー選手に多く、ランニングで足を後ろに蹴り出す動作やサッカーのキック動作で蹴り出した脚を減速させるときなどに過度の負荷がかかったり、鵞足と内側側副靭帯が擦れ合ったりすることで起こります。

炎症を抑えるためアイシング、超音波などの電気療法を行い、手技療法で太ももの筋肉をゆるめることが重要です。 運動をする際はテーピングを行い、運動終了後のアイシングやストレッチも合わせて行うことも大切です。

ジャンパー膝(膝蓋腱炎)

ジャンパー膝とは、膝蓋骨(膝のお皿)に付着する腱が引っ張られることで炎症を起こす障害です。 膝の曲げ伸ばしをよくするスポーツ選手に多く発生します。

主な症状

膝蓋骨の上部または下部に発生し、運動後の痛み、熱感、圧痛がみられます。 スポーツでのジャンプ動作、日常生活では階段の昇り降りや、深くしゃがみこんだときなどに痛みが出ます。

原因は?

太もも前面の筋肉の柔軟性の低下やスポーツなどで膝に過度の負担がかかることが原因とされています。 バレーボール、バスケットボール、サッカー、ハンドボールなどのジャンプや急激なストップ、方向転換を多くする競技で多く起こります。また負担のかかりやすいフォーム、運動後のケア不足などもあげられます。

炎症があり痛みが強い場合は、アイシング、超音波などの電気療法で炎症を抑え、手技療法で太もも前面の筋肉をゆるめることが効果的です。 特に10 代では筋肉が張りやすいので、予防としてストレッチなどをすることが重 要になります。